首相記者会見③ 完
《司会「以上を持ちまして記者会見を終わらせていただきます。すいません、予定を過ぎておりますので終わらせていただきます。ちょっと予定しておりますので。(「おかしいですよ」などの声多数)最後に1問だけお答えいただきます」》
--雇用労働者に対し、フリーランスへの保障が半分であることに疑問が出ているが、どう考えるか
「今回の臨時休校要請に伴いですね、新たに設ける助成制度については正規・非正規を問わずですね、雇用されている方を対象とするとともに、従来の雇用施策では対象とはしていなかったフリーランスの方々にも対象を広げるという決断をしたところであります」
「ただし、こうした方々については、働き方や報酬の定め方がですね、多種多様で実際に支払われる予定であった金額を把握することが容易でない中において、迅速な支払いをすることを第一に考え、勤務実績に関わらず、一定の金額をですね、お支払いすることとしたものであります」
「その水準については、雇用されている方々についても、勤務実績により支払い水準はさまざまであることとのバランスを考えて、その上で、その上限額の半額程度をですね、定額でお支払いすることとしたものであります」
「合わせて、緊急小口資金の特例を設けて、一時的な資金が必要な世帯への貸付額を引き上げ、償還時に所得の減少が続く住民税非課税世帯にはですね、償還を免除することができるものとしているところであります」
《司会「どうもありがとうございました。すいません、ちょっと予定を過ぎたので」》
「まあ、いいんじゃない」
--緊急事態宣言は私権の制限がある以上、首相や政権に対する信頼が非常に重要になってくる。しかし、黒川弘務東京高検検事長の定年延長問題では国民の知らないうちに解釈が変更された。しかも口頭決裁という手続きだった。国会答弁も虚偽だった(首相、首をかしげる)。政権への信頼が非常に失われる状況ではないか。信頼を回復するためには黒川検事長の定年延長の閣議決定を取り消す、あるいは口頭決裁で解釈変更したことを撤回することを考えているか
「法務省においてですね、人事においては法務省としてですね、判断をされたものでありまして、これは国会で繰り返し森雅子法相も答弁をしていると承知をしておりますが、それを受けて閣議決定をしたものでありまして、適切な判断だったと考えております」
「それと、いわば緊急事態の宣言を出すということはですね、まさにこれは国民の命を守らなければいけないという大きな判断をするわけであります。それはですね、そう簡単な判断ではないわけでありまして、だから先ほど申し上げましたように、より透明性を持っていく。もちろん専門家の皆さまのご意見を伺った上で判断をしていく」
「そして国民の皆さまにどうしてそういう判断に至ったかということについて納得をしていただくことが必要だろうと思います。私権の制限等がありますから、その際にはこうした形で記者会見を開いて丁寧にご説明をさせていただきたいと考えております」
《司会「ではですね。すみません、全員を差したいんですけど、あれですけど、あと2問指してもらえますか。同じ会社の方が手を上げられた方はすいません」》
--米国の非常事態宣言では5兆円余りの財政出動が可能になる。今後、第3弾の緊急経済対策を策定するか。実施の目途は
「先ほど申し上げた、いわば、この生活に不安を感じておられる方々に対して、直ちに対応しなければならないという対策もあります。それとは別に、この現下のですね。経済情勢、甚大な影響が経済に出ています。これ世界経済においても大変な動揺が見られる中においてですね、マクロ経済的にもどのような対応しなければいけないのか、ということについてはですね、今、私が直ちに金額等々について具体的なことを申し上げることはできませんが、そうしたマクロ経済におけるインパクトに対応できるに十分な対策をですね、対応をしていきたい。具体的な中身につきましては、政府与党においてですね、練り上げていきたいと考えています」
《司会「はい、最後の1問に指していただきます。真ん中の、男性の、すいません、お名前を、所属があるのかどうか明らかにしてください」》
--今回の改正特措法に盛り込まれた非常事態宣言が発令されたとき、報道や言論の自由は担保されるのか。自民党の改憲案には緊急事態条項が盛り込まれているが、今回の非常事態宣言が布石とならないか
「あの、まず報道の自由は守られます。これは明確に申し上げておきたいと思います。それと、いわば報道の内容を変えるようにお願いすると言った答弁は訂正をしたと承知しています。既にですね、そして、緊急事態宣言は先ほど申しましたが、国民のまさに生活、そして健康と命を守るために発動を宣言するわけでありまして、これは各都道府県にですね、そういう措置を執っていただくように、これは、やっていただくことになるわけでありまして、これはわれわれが独占するということは全くないということであります。
これと自民党の改憲案とは全く別の物であろうと思いますし、そもそも憲法改正というのは3分の2の発議があって、国民の皆さま、国民投票で過半数の賛成を得て成立するものであります。まさに国民の皆さまが決めるものであるとご理解をいただきたいと思います」
安倍晋三首相が14日夕に行った新型コロナウイルスに関する記者会見は、終了予定時刻を過ぎても記者からの質問が相次ぎ、異例の約50分間に及んだ。
終了予定時間が過ぎ、司会の長谷川栄一内閣広報官が会見を終えようとしたところ、「答えてください」「おかしいでしょう」などと記者席から会見時間を延長し、首相に質問に応じるよう求める声が上がった。
長谷川氏は「予定を過ぎたので」と会見を終えようとしたが、首相が「まあ、いいんじゃない」と応じる考えを示し、長時間の会見となった。