2位に陥落…
スパコン世界ランク、「富岳」2位に陥落…首位は毎秒100京回を突破の米国最新鋭機
理化学研究所は30日、富士通と共同開発したスーパーコンピューター(スパコン)の「富岳(ふがく)」が、計算速度を競う世界ランキング「TOP500」で2位になったと発表した。2年にわたって維持してきた世界トップの座は、米国が新たに投入したスパコンに奪われた。
TOP500は、スパコンの研究者らによる国際会議で毎年2回公表されている。富岳は2020年6月以来、4期連続で1位だったが、今回は米オークリッジ国立研究所にある最新鋭機「フロンティア」がトップになった。フロンティアの計算速度は毎秒110京(けい)2000兆回(京は1兆の1万倍)で、富岳の同44京2010兆回の約2・5倍だった。スパコンの開発競争では同100京回を上回る計算速度「エクサスケール」が次の目標とされ、突破したフロンティアが初めてランクインした。
一方、富岳は、産業応用で使う計算の処理速度を測る「HPCG」、ビッグデータの解析能力の指標となる「Graph500」の2部門では、5期連続で首位を獲得した。
理研の計算科学研究センター(神戸市)にある富岳は、昨年3月から本格運用が始まり、新型コロナウイルスの感染対策や気象予測など幅広く活用されている。同センターの今村俊幸チームリーダーは「HPCGで1位を維持したことは、幅広い応用が可能な富岳の優位性を示している。順位にとらわれずに総合力で勝負したい」と強調する。
富岳の後継機について、文部科学省は量子コンピューターの進展などを踏まえ、今後数年かけて検討することにしている。
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