コロナ連日の最多水準
韓国コロナ連日の最多水準 “K防疫が崩壊”政府批判強まる 日本人学校で感染者も
韓国では新型コロナウイルスの新規感染者が2日連続で7000人を超え感染状況の悪化に歯止めがかかっていません。韓国メディアは「“K防疫”が崩壊しつつある」と指摘し、対策の強化を求める声が強まっています。
韓国では9日の発表で新規感染者は7102人となり、前日8日に続き2日連続で7000人以上の過去最多水準が続いています。重症者も857人に増えて過去最多を更新し、感染状況が一段と悪化しています。
重症者用の病床使用率はソウルを含む首都圏で8割を超えているほか、空き病床が「0」の自治体も出るなど医療体制の逼迫が続いています。
8日、保健当局は「重症化率が当初想定した1.6%より高く、2~2.5%前後になり、病床稼働率が相当高くなっている」と危機感を示しました。
韓国メディアは新規感染者が「月内に1万人を超える」との専門家の見方を相次いで伝えています。
“K防疫が崩壊” 政府対応に批判強める韓国メディア
保守系の大手紙『朝鮮日報』は、9日の1面で「国民が危ない 崩壊したK防疫」との見出しを掲げ、文在寅大統領が直接、対応に出ないことを「かつてK防疫の成果を内外に知らせた時と対照的だ」と批判しました。
普段は、政権を擁護する論調の革新系の大手紙『ハンギョレ新聞』さえも、「感染者1万人の影が近づいた」「より強力な対策に切り替えるべき」との専門家の意見を1面で掲載しました。
病床不足から、韓国政府は在宅での治療の拡充を進めていますが、入院できないまま死亡する患者も相次いでいて、“医療崩壊”への懸念も強まっています。
韓国政府は、11月1日から規制を大幅に緩和する「ウィズコロナ」政策を始めましたが、今週6日から中断。ソウルを含む首都圏での飲食店などでの集まりを6人までに制限していますが営業時間などの規制はなく、市民からはより強い対策に戻すべきとの意見も出ています。
日本人学校で初の感染者 ソウル在住日本人にも不安広がる
ソウル周辺に住む日本人の子供らが通う「ソウル日本人学校」でも8日、初めての新型コロナウイルス感染者が確認されました。学校側は、急遽、9日と10日の“休校措置”を決定し、両日は午前中のみの全面オンライン授業に切り替えました。感染が確認された学年では、すべての児童にPCR検査を行うことが求められています。
身近な場所で感染者が確認されたことで、日本企業の駐在員などソウル在住の日本人コミュニティでも不安が広がっています。
韓国での感染者が相次ぐ中、ソウルではPCR検査場に連日、長蛇の列ができています。検査待ちで2時間以上並ぶケースもあり、日本人学校に子供を通わせる親からは「検査を受けるだけでも負担が大きく、混雑した検査場に行くのも不安だ」との声も聞かれます。
オミクロン株も市中感染が拡大 累計60人に急増
現在、韓国国内で確認されている感染者の99%は、「デルタ株」です。ただ、新たな変異株「オミクロン株」についても、仁川の教会に端を発した市中感染が広がっています。9日の保健当局の発表では、オミクロン株の感染者は前日から22人増加し、累計60人になりました。
韓国政府は、高齢者へのワクチンの追加接種を急ぐと共に、接種率が伸び悩んでいる10代の若者へのワクチン接種を急ぐ方針です。
(NNNソウル支局 原田敦史)
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