4500万人分を国内生産へ
アストラゼネカ製ワクチン、2月中にも厚労省に承認申請…4500万人分を国内生産へ
英製薬企業アストラゼネカは新型コロナウイルスワクチンについて、2月中にも厚生労働省に製造販売の承認申請を行う方針を固めた。関係者への取材で28日、わかった。加藤官房長官は同日の記者会見で、同社が4500万人分以上のワクチンについて、日本で生産する方針を厚労省に伝えたことを明らかにした。
同社は英オックスフォード大と共同でワクチンを開発した。1人に2回接種する方式で、英国やインドで医療関係者や高齢者らを対象にした接種が始まっている。日本では昨年、18歳以上の約250人に接種する臨床試験が行われ、現在データを解析中だ。
政府は同社から6000万人分のワクチンを購入し、うち1500万人分は3月末までに同社が供給する契約を結んでいる。同社は日本で接種する分の大半を日本国内で製造する方針で、バイオ企業JCRファーマや第一三共などが原料の製造や製品化を担当する。
新型コロナワクチンは、米製薬企業ファイザーが昨年12月、厚労省に初の承認申請を行った。政府は米バイオ企業モデルナ製を含め、3社から計1億5700万人分の購入を予定している。いずれも現在は海外で製造されているが、ワクチンは世界的な需要の拡大と生産の遅れが指摘され、輸入量や輸入時期は不透明だ。3社のワクチンは、いずれも人工合成した新型コロナウイルスの遺伝物質の一部を主成分とする。米2社のワクチンは遺伝物質を脂質の膜で包み、アストラゼネカは別のウイルスに組み込んだ点が大きく異なる。保管温度はファイザーが氷点下75度、モデルナが氷点下20度の冷凍に対し、アストラゼネカは2~8度の冷蔵で扱いやすいのが特徴だ。
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