「最悪のシナリオ」
医療崩壊が全ての人にとって「他人事」ではない理由。尾身茂会長が避けたいと願う「最悪のシナリオ」
ーー分科会は繰り返し、対策強化を訴えています。しかし、その危機感がしっかりと伝わっているとは言えません。現状をどのように捉えていますか?
はっきり言って、感染は全国に広がっています。
その中で都心部、東京を中心とした首都圏が感染の核になっていると我々は分析しています。
そこから、人の動きで全国に感染が広がったと考えています。
例外ももちろんありますが、何事にも原因と結果がある。どうしても、現象として現れたものに注意が向きますが、地方における感染拡大は結果であって、そうした感染は都心部から広がっているということを若い人たち含め、みんなに知ってほしい。
家庭内感染も「ひとつの結果」
どうしても家庭内感染というところが注目されています。
確かに家庭には高齢者もおられるので、なんとか家庭内感染は防ぎたい。でも、この家庭内感染もひとつの結果です。
例外もありますが、大きな傾向としては飲食を介した場のリスクが一番高い。そこで感染した人々が医療機関、高齢者施設あるいは直接家庭へ感染を伝播させています。
(飲食などの場で)感染する人は、20~50代の、活動が活発で、感染したとしても軽症あるいは無症状の人々が多い。
決して彼らの責任ではありません。ウイルスの特徴のせいです。そうした人々が気付かないうちに感染が広がっています。
結果も重要ですが、やはり原因を断たないとダメですよね。
地方であれば顔見知りも多く、感染のリンク(経路)の追えるクラスターが比較的多い。しかし、都会ではどうしても匿名性が高まり、リンクの追えないクラスターが多くなる。
そうしたことも手伝って、首都圏では感染がどんどんと広がっています。
「自分自身の健康に自信を持っていたとしても…」
だんだんと人々もこのウイルスに慣れてしまっていますよね。
4月は、広範囲にかなり強い対策を要請する「緊急事態宣言」が出て、8割の接触制限を行いました。それから半年以上、対応を続けてきた中で、分かったことがたくさんあります。
今は感染を下降傾向へと転じさせるために、緊急事態宣言発令時と同じような広範かつ強力なお願いをする必要は、今のところないと思います。
この半年で色々なことがわかってきました。つまり、そこでわかった急所を押さえることが必要です。外を歩いただけでは感染することはありませんから。
「食事の場に注意を」
その代わり、食事の場に、やはり注意が必要です。
これは昼夜問わず、また場所を選ばず、ショッピングモールのフードコートのような場所でも感染は確認されています。
ですから、広範な活動について、何がなんでも我慢をしてください、ということではなく、今は食事の場だけは気をつけてくださいとお願いをしたい。
もしかしたら、若い方は感染したとしても重症化する率は低いし、感染したとしても大したことはないだろうと考えているかもしれない。
その気持ちもよく分かります。私も若い頃は自分のことに精一杯で、社会のためなどあまり考えたことはありませんでした。
だけど、医療機関は(患者の増加で)だんだんと限界に近づいてきています。
医療が崩壊すれば、社会不安も広がります。感染拡大がこのまま続けば、経済もより大きなダメージを受けることになります。
自分自身の健康に自信を持っていたとしても、仕事がなくなってしまう可能性もあります。
感染が広がってしまえば、大事なおじいさん、おばあさんにも感染が広がり、重症化する可能性もあります。
全てがダメというわけではない。
メリハリの効いた対策をしていただくことによって、医療崩壊を防ぎ、高齢者の命を結果的に救うことにもつながるということを知っていただきたいです。
変異株が出ても対策の基本は変わらない
食事をする時、人数が多くなれば、また普段一緒にいない人と一緒になれば、感染リスクが高くなることは既に証明されています。
会社でも、同じ部署内ではなく、違う部署を横断して、それから他の会社の人も巻き込んでと、その範囲が広がるほどに感染リスクが上がります。
我々は楽しむことをやめてください、と言っているのではありません。
LINEなどオンラインツールを使うことによって楽しむことだってできますし、いつも一緒にいる人と少人数で飲食を共にすることによって、リスクを比較的低く抑えることもできます。
我々が示し続けてきた感染リスクの高まる「5つの場面」についても、まだまだ知らない人が多くいると耳にしました。
「3密」と大声を出す場面を避けることの重要性はかなり広く伝わっていると思います。ですが、「3密」というのは具体的にどのような場面を避けなければいけないのかがわからないと言われたので、示したのがこの「5つの場面」です。
これは何千とあるクラスターのデータを分析して導き出された知見をもとにしています。
イギリスの変異株も注目されていますが、結局のところ、市民がやるべき対策は変わりません。
全ての人が、自分も感染しているかもしれない、あるいは感染させるかもしれないという認識を持ちながら、基本的な感染対策を続けてもらえればと思います。
これから年末年始の休みに入ると、人の動きが減りますから2~3週間後の感染者数は表面上は減って見えるかもしれません。でも、休み明けに活動が再開することでまた、感染拡大も始まります。
このまま感染者数が高止まりしたまま、休みが開けてしまうと、再び下降傾向へ転じさせるためには、時間がかなりかかります。
収束が遅くなればなるほど、社会経済への影響も大きくなってしまいます。
ですから、今のうちからできる限り感染者数を減らすために努力をしなければいけないんです。
怪我などでも病院に行けなくなる、救える命が救えなくなる「最悪のシナリオ」
ーやはり最悪のシナリオとして危惧されているのは、医療崩壊が起きてしまうことなのでしょうか?
人間にはいろいろな不安がありますよね。仕事や生活の不安、そして健康の不安がある。
その中でも健康というものはお子さんから、若い人、高齢の方まで、みんな等しく関心を持っていることでしょう。誰だって病院のお世話になることはありますよね。
日本は医療制度が整い、医療へのアクセスも良い。だから、医療そのものに不安を抱くことは少ないでしょう。そういう意味では日本の医療は、空気のような存在だったと言ってもいいかもしれません。
でも、そんな空気が急に薄くなってしまったらどうなるのか、想像してください。
日本における医療へのアクセスは世界でもトップクラスです。でも、医療を必要としている人が少しずつ必要な治療を受けられなくなりつつある。病院も患者さんを受け入れたいのに、受け入れられない。
スキーへ行って怪我をした時、すぐに治療できないかもしれません。盲腸になっても手術できないかもしれない。
これでは社会不安が広がり、社会経済活動も止まってしまいかねない。そうなると、今よりも求人は減るでしょうし、失業率も高くなる。
病気で亡くなる人が少なくなったとしても、自ら命を断つ人がさらに増えかねません。
感染が下火になれば、また経済を回せますし、Go To事業だって回せるわけです。まずはいち早く、感染を下火へと転じさせなくてはいけません。
千葉雄登
お待たせ致しました。
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